最初の妊娠の話
産まれて来なかった我が子
結婚して2年間、私達は子供を作りませんでした。
自分達の生活が安定するまでは、いらないと思っていたからです。私もまだ、仕事がしたかった。
そして、主人が「そろそろ。。。」といい始め、私も、もういいかなぁと思う事が出来た頃。。。
運良く妊娠する事が出来ました。
地元のお祭りに会社で出席した際、雨にあたり、風邪をひいた事で妊娠に気付くのが早くなりました
そして。。。つわりがやってきました!!
仕事は続けられる所まで続けるつもりでした。
でも。。。匂いに敏感になるつわりに悩まされ。。。仕事にも支障をきたすので、思い切って1カ月の休暇をとりました。
結婚して初めて専業主婦になった私は、自由な時間がたっぷりあるのが嬉しくて(笑)1ヶ月は、あっという間でした。
体調も良くなり、会社に復帰した時、制服のスカートがきつくて。。。そんなことに喜びを感じてたんです。
そして、検診の日。
今回の検診で予定日を確定して、母子手帳をもらいましょうと、言われていたので、張り切って出かけていきました。
前の日からちょっとだけ茶色いおりものがありましたが、量も少ないしお腹も痛くないので、
あまり気にしていませんでした。
普通に診察を受け、普通に診察台に上がって。。。それなのに、先生達の様子がちょっと違うのです。
不安を感じつつ、先生の話を待ちました。
「赤ちゃんの心音がなくなっています。前回と比べても成長も見られません。」
目の前が真っ暗になりました。
出来るだけ早く手術しないと、子宮や私の体全体に悪影響が及ぶ。
そのまま、入院して次の日に手術。
涙だけが流れ落ち、先生の言葉も理解できませんでした。。。赤ちゃん・・・死んじゃった?
お腹の中にいちゃだめだから出しちゃう?・・・どうして?
主人に電話で連絡をとり、入院の手続きをされ、病室へと連れていかれましたが。。。
まだ、自分の身に何が起きているのか理解できていない状態でした。
しばらくして、主人が来てくれたけど、顔を見たらもっと涙が溢れて。。。何も言えなかった。。。
その後、先生が主人にも説明してくれる為に病室を訪れました。
決して私が悪いとか、そういう事ではない。
子供が育つだけの生命力を持っていなかったのだと。。。
頭では、少しだけ理解できた。
でも、心は・・・。
その日は主人に夜までいてもらい、両方の実家に電話をかけました。
そして・・・朝がきました。
手術の前後の事は良く覚えていません。
麻酔のせいなのか、忘れようとしていたからなのか・・・どっちなんでしょうか?
とにかく、手術は何事もなく無事に終わったのです。
麻酔から覚め、主人の顔を見た時、また、泣いてしまった。
ワンワン声をあげて、思いっきり。。。主人の腕の中で。。。
そして、気付くと、そこにいるはずのない母と妹の顔があったのです。
昨夜の電話でも来るなんてひと言も言ってなかったのに・・・。
母は、すぐに行ってあげるって言いたかったけど、一人で行く自信がなかったと言った。
そしたら、下の妹が、一緒に行ってあげるから行こうと、母を連れてきてくれたというのです。
妹はこの時まだ高校生でした。
でも、父も学校を休む事に何も言わなかったのでしょう・・・。
8つも年下なので、いつまでもちっちゃいと思っていた妹が、私を心配して、母を引っ張ってきてくれたなんて・・・
なんだか胸がいっぱいになって、また、泣いてしまいました。
手術後とはいえ、軽いものだから、付き添いは出来ません。
夕方までいてくれた主人と母も帰ってしまい、私は1人で残されました。
私が入院していた部屋は2人部屋でした。
たまたまあいていたのでずっと1人だったのですが、夜になり、人が入ってくる事になりました。
それも、今、帝王切開を終えた方。。。
手術後の専用部屋がいっぱいなので、仕方がないとは言え、どうしてここなの?と思った。
だって、私は今日、子供を失ったんだよ!!
それなのに、帝王切開とはいえ無事に出産した人が隣に来るなんて!!
案の定、旦那さんや親御さんが次々にやってきて、祝福の言葉をかけている。
看護婦さんだって、やっぱり、「おめでとう」って言ってる・・・。
布団にもぐって寝ようと思った。
でも、涙があふれてきて、とても寝るなんて出来なかった。
私1人、とても孤独で。。。深い所に落とされてしまったような感覚が付きまとう。
このまま、病院を抜け出して帰ってしまおうと思ったけど。。。それもできなかった。
代わりに主人に電話した。
ただ、気を紛らわそうと思っただけだったのに、声を聞いた途端、また、泣いてしまって、言葉が出なかった。
ぽつりぽつり、状況を話すと、主人は今から行くと言ってくれた。
主人が来てくれた途端、また、涙があふれる。。。
主人は黙って、私の手を握ってくれました。
寝るまでいてやるから安心して寝ろ。と。
その優しさに包まれている事を感じて、時間は掛かったけど、眠る事が出来たのでした。。。
1週間ほど自宅で療養し、会社に復帰した私でしたが、心の傷は癒えてはいませんでした。
ある毎に涙があふれてくるのです。
ごみ捨ての日・・・生ゴミの臭いに吐き気がしないとか・・・。
会社の制服がすんなり入ってしまったとか・・・。
そして、そんな時に同僚の妊娠がわかりました。
同い年の彼女は、結婚式を目前にして妊娠がわかり、本当に幸せの絶頂にいたのです。
予定日も私が産む予定だった日と、1ヵ月も違いません。
祝福の気持ちはちゃんとありました!
結構話もしていた友達でした。
でも、やっぱり、悲しくなっちゃう自分がいました。
彼女も私に気を遣ってくれるのです。
それがまた、悲しくて。。。
もう、仕事をやめる事ばかり考えていました。
そして、とうとう、その同僚が制服をやめてマタニティウエアで仕事を始めた頃、退職しました。
妊娠したら無事に生まれてきて当たり前!!
ずっとそう思っていた自分がどうして、流産してしまったのか。。。
私は子供を産む事が出来ないの?
この、心の傷が癒える日は本当に来るのだろうか。。。
その頃は本当にそう思っていました。
流産から3ヶ月くらい経ち、幸いにもまた妊娠する事が出来ました。
でも、やっぱり、心から喜ぶ事が出来ない自分がいました。
妊娠した事は嬉しいけど、無事に育ってくれるの?
そんな不安でいっぱいで。。。
安定期に入ったとたんに入院でしたから、本当に臨月まで不安と戦いながらの生活でした。
私の心の傷が本当の意味で癒えたのは、産まれた娘を自分の腕に抱いた時でしょうか?
思った以上に深い傷が出来る物です。
娘を産む時の3ヶ月もの入院に耐えられたのは、この経験が大きいと思っています。
私にとっても、主人にとっても。。。
だから、産まれて来なかった我が子も、ちゃんと、私達のために存在した意味があったのだと。
そして、私は、息子を産む前にも、もう1度流産を経験しました。
その時は1度も心臓の動きを確認する事もなかったので、最初よりは傷も浅かったと思います。
そして。。。2歳の娘が私を救ってくれたのです。
私は今、幸せです。
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